『VGのハービー・マン』のアフリカ
あまりの懐かしさについ買ってしまった。再発された『ヴィレッジ・ゲートのハービー・マン』(ATLANTIC・1962)。高校時代にジャズを聞きはじめて、最初に買った何枚かのLPのうちの1枚。確か最初に買ったのがMJQ、次がこれ、それからマル・ウォルドロンで、次がオーネット・コールマンのストックホルム・ライブと、あきれるくらい一貫性がないね。
このハービー・マンのライブは当時、ジャズ喫茶の人気盤だった。2時間か3時間ねばっていると、たいてい1回はかかった。ヒット曲「カミン・ホーム・ベイビィ」と名曲「サマータイム」がカップリングされたA面がかかることが多かったけど、たまにかかるB面の「イット・エイント・ネセサリー・ソウ」も捨てがたい。
20年ぶりくらいで聞いて、「サマータイム」のハービー・マンの見事なアドリブを、フルートに合わせて今でも口ずさめるのが嬉しかった。
もうひとつの「発見」は、濃厚にアフリカ色があること。当時は、ノリのいいポップなジャズだとばかり思っていた。コンガにアフリカン・ドラムと2本のアフリカ楽器が入り、ハービー・マンの背後で絶えることなくアフリカのリズムを叩きだしている。とくに「イット・エイント・ネセサリー・ソウ」は、アフリカのジャズかと思えるほど。
その後、ダラー・ブランドをはじめアフリカのミュージシャンがジャズ・シーンに登場するけど、その先駆をなすような意欲的な盤だったのかもしれないな。
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