「イッツ・オール・ライト・ウィズ・ミー」
トロンボーンの音っていいいよね。カイ・ウィンディングとJ.J.ジョンソン、トロンボーン2本のソフトなジャズ。2人が吹いたコール・ポーターの名曲「イッツ・オール・ライト・ウィズ・ミー」はジャズ・ファンならたいていどこかで聴いた覚えがあるだろうけど、このアルバム(『K+J.J.』1955)に入ってるとは知らなかった。
2人のアドリブは、何度聴いてもうっとりする。メロディをトロンボーン2本の音を重ねて吹いた後、カイからアドリブに入り、J.J.がミュートで応える。カイもミュートをつける。サックスやトランペットと違って、ゆったりしたテンポ。J.J.のミュートは柔らかく、一方、J.J.のは少しハード。やがて2人ともミュートをはずして交互に対話するのだけど、途中からカイとJ.J.の区別がつかなくなって迷い道に入りこんだような気分がまたいい。2人が2人、なんとも気持ちのいい音を出している。
休日の秋の夕暮れに名手2人のトロンボーンを聴いていると、ちょっとセンチメンタルな気分。
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