『at』と島バナナと芭蕉布
『at(あっと)』(太田出版)という季刊誌が創刊された。
1号の特集は「バナナから見える世界」。鶴見良行の名著『バナナと日本人』から20年、その後のアジアと日本のつながりを、もう一度バナナを通して考えようという企画。バナナの「国産産直事業」をつづけてきた市民事業「オルタード・トレード・ジャパン」リーダーへのインタビューと、石川清の新連載「バナナの世界地図」。
「バナナの世界地図」第1回は沖縄のバナナをレポートしている。沖縄で栽培されている「島バナナ」と古くからバナナ(芭蕉)の繊維で織られた芭蕉布。たまたま銀座の沖縄物産店「わした」を覗いたら島バナナがあったので買ってきた。普通のバナナより濃厚で酸味があり、うまい。バナナの下は芭蕉布の敷物。時間と空間を自在に旅した鶴見に比べると文章も用語もまだ硬いけど、楽しみな連載。
ほかに連載は柄谷行人「革命と反復」、上野千鶴子「ケアの社会学」と、吉岡忍・吉田司の対談。2人の連載対談(放談)は面白い。
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