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September 24, 2005

モンク&コルトレーン 1957 凄い!

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「伝説」を聴いた!
想像以上の凄さだった!

1957年、セロニアス・モンクがジョン・コルトレーンを加えたカルテットで、ニューヨークのファイブ・スポットに出演したときの演奏はさまざまに語られ、「伝説」となっている。

「伝説」となったのは、このときのライブが録音されなかったこともあるが、ライセンスを取り上げられてNYで演奏できなかったモンクが久しぶりに現場復帰し、麻薬でマイルス・デイビスのバンドを馘になった新鋭コルトレーンがモンクに鍛えられることによって日毎に変化し、そのプレイが後の「コルトレーン神話」の出発点になったと言われているからだ。

『ライブ・アット・カーネギー・ホール1957/セロニアス・モンク&ジョン・コルトレーン』(BLUE NOTE)は、モンク・カルテットがファイブ・スポットに出ていたまさにその時期に、カーネギー・ホールのコンサートに出演した際のライブ。今年の4月、ワシントンの国会図書館で48年ぶりに録音テープが発見された。ニューヨーク・タイムスに載ったテープ発見の記事は日本でもすぐ紹介されたから、いつ聴けるのかとわくわくしていたファンも多かったろう。僕もその1人。

十何年か前にも、ファイブ・スポットのライブが残っていたと、鳴り物入りでアルバムが発売されたことがあった。個人がテープレコーダーに録音したものだったから、「研究」ならともかく音楽としては聴くに耐えない音質で、噂に聞く演奏の凄さはまったく伝わってこない。僕も1、2度聴いただけでしまい込んでしまった。

今回の盤は、はじめから興奮させられる。オープニングの拍手がなりやむ間もなく、モンクが「モンクス・ムード」のメロディを弾き始める。驚きに満ちた音遣いのモンクがひとりで1コーラス弾いたあと、コルトレーンが低く、静かに入ってくる。今度はコルトレーンが瞑想するようにメロディを吹きはじめ、モンクがバックに回る。バッキングというにはあまりにすごすぎる刺激的なピアノ。ベースとドラムスはごく控え目にしか入ってこないから、2人の絡みあうようなデュオが延々とつづく。

曲が終わると聴衆の拍手を無視して、モンクはすぐに次の「エヴィデンス」に入る。イントロの後、コルトレーンがメロディを吹きはじめ、そのままソロに入って、ぐいぐい熱くなる。「シーツ・オブ・サウンド」と呼ばれるコルトレーン独特の16分音符が敷き詰められた激しいプレイの連続。すごい!

このコンサートは11月29日。その2カ月前にコルトレーンは初期の名盤『ブルー・トレイン』を録音している。『ブルー』は50年代のハードバップ・スタイルだったけど、この夜の演奏はもう50年代ではなく、明らかに60年代の疾風怒濤のコルトレーンを予感させる。

それ以上に興味深いのがモンク。モンクのアルバムで主だったものは持ってるつもりだけど、曲や音遣いのユニークさと対照的に、モンク自身のプレイはいつでも淡々としていて、そのなかに独特のユーモアと明るさを湛えているのが印象的だった。

それがこのライブ盤では、コルトレーンに刺激されてだろう、モンクが熱くなっている! こんなにアグレッシブな音を出し、時にはコルトレーンとバトルを繰り広げるモンクを初めて聴いた。弾きながら出すうなり声(キース・ジャレットより凄みのある)もちゃんと録音されていて、泣かせるね。

1曲が終わると間髪を入れずモンクは次の曲に入り、息もつかせぬモンクの名曲のオン・パレード。「ナッティ」のテンションの高さ、「スウィート&ラブリー」でのモンクらしいバラードのソロと、ダブル・タイムで急速調になるコルトレーンのソロ、「ブルー・モンク」でのコルトレーンの火の出るようなソロに、興奮しまくり。

録音がまた臨場感あふれていい。ボイス・オブ・アメリカが放送用に録音したらしいけど、スタジオでないにもかかわらず音がクリアで、会場にいるようなリアルさがある。目をつぶって聴いていると、1957年のニューヨーク、伝説のモンク・カルテット演奏の現場にタイム・トリップしたような幸せな気分を味わえる。

「歴史的名盤」という言い方があるけど、これは間違いなく歴史に残るアルバムだ。モンク・ファン、コルトレーン・ファンは必聴です。


 

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Comments

はじめまして、バブと申します。

このCD、注文を済ませ、到着待ちなんですが(なにせ田舎なものでCD屋さんで見つけるより注文のほうが速いんですよ)
なにげに立ちよったこちらのブログの評価を読ませていただき、ますます到着が楽しみになりました。

聴きしだい私のブログでも紹介したいと思います。その時はTBさせていただきますので、よろしくお願いします。

酔っぱらいおやじの戯言ブログですが、よろしければ我が家にも遊びにいらして下さい。

Posted by: バブ | September 25, 2005 at 11:30 PM

はじめまして、こんばんは。ハナと申します♪
このCDは興味あったんですがこちらを読ませて頂き、絶賛ぶりに胸トキメキました。
やっぱ聴いたほうがいいかなぁ(。・ω・)ノ
勉強になりました、ありがとうございます☆

Posted by: 睦月 ハナ | September 26, 2005 at 08:16 PM

>バブさま

バブさんがどう聴くか、エントリーを楽しみにしています。

バブさんは僕なんかよりずっとたくさん聴いていらっしゃいますね。楽しみに訪問させていただきます。

>睦月 ハナさま

なにせモンクもコルトレーンも三十数年前からのファンですから、つい興奮してしまいました。読み返すと、ちょっと恥ずかしいです。

Posted by: | September 27, 2005 at 12:52 AM

はじめまして♪
アメリカ在住のjazzaudiofanと申します。
このCD、日本から少し遅れてアメリカでは昨日発売され、今日聴きました。素晴らしい内容で感動しています。
トラックバックさせていただきます。

Posted by: jazzaudiofan | September 29, 2005 at 03:02 PM

本日、CD到着致しました。
聴きましたよ、良いですね。

こちらほど、詳しい記事ではありませんが、一応記事にしましたのでTBさせていただきました。よろしくお願いします。

Posted by: バブ | October 01, 2005 at 04:18 PM

追伸、
何故かTBできません?
よろしければ、10月1日の記事ですので、遊びにいらして下さい。

でもどうしてでしょうね?jazzaudiofanさんのところはTBできたんですけど

Posted by: バブ | October 01, 2005 at 04:34 PM

>jazzaudiofanさま

この夜のカーネギー・ホールはモンク・カルテットのほかにビリー・ホリデイ、ディジー・ガレスピー、チェット・ベイカー、ロリンズ、それにレイ・チャールスという超豪華メンバーだったらしいですね。ほかのテープもCD化されないのか。楽しみです。

Posted by: | October 01, 2005 at 11:17 PM

>バブさま

バブさんのgooブログと私のココログ は相性悪いみたいですね。私のほうからもコピー&ペーストで簡単にそちらへTBできません。

確かに後半(深夜の2ndセット)は怒濤の演奏ですね。

Posted by: | October 01, 2005 at 11:26 PM

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