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April 26, 2005

追悼・雑賀陽平

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尼崎のJR脱線事故で知人2人が電車に乗っていた。1人は幸い9針縫っただけの軽傷ですんだが、もうひとりは還らぬ人となった。

30年ほど前、互いに20代だった時代に一緒に仕事をしていたことがある。そのころ彼は雑賀陽平というペンネームでマンガを描いていた。軽やかな線にナンセンスな笑いと関西ふうのユーモアが同居していて、雑誌『COM』の新人賞をもらった。雑誌の仕事で、こちらは文章を、雑賀陽平は1コママンガを同じテーマで描くのだが、やられた、と思ったことが何度もある。

その後、彼は故郷へ帰って、この20年間は年賀状だけのやりとりだった。毎年の賀状に、「美人の奥さん」(と、いつも言っていた)と、2人の息子が年ごとに大きくなっていく姿が描きこまれていた。

さまざまな記憶を共有している友人が、突然、いなくなる。それにどう対処したらいいのか分からない。ただ冥福を祈る。

(追記)神戸新聞で雑賀陽平のことが報じられて、このブログへのアクセスが急増した。その後、Googleで調べたり思い出したりした彼の経歴について、メモしておきたい。

サイト「西岸良平まんが館」(彼は西岸良平と同一人物ではないかと、当時から間違われていた)には、雑誌『COM』で「雑賀陽平は『我らの時代』で入選し、その後も単純な線と毒のある笑いを含んだ作品を発表していた」とある。僕は新人賞をもらったと記憶していたが、記憶違いかもしれない。

彼は1980年代にマンガ雑誌『漫金超』(第1号~第5号)にいしいひさいち、ひさうちみちお、川崎ゆきお、高野文子、蛭子能収らとともに作品を発表している。思い出した。押し入れを探せば『漫金超』が何冊かあるはずだ。雑賀陽平は、いしいひさいち、川崎ゆきおらを中心とする関西のマンガ家グループの一員だった。

神戸新聞によると、雑賀陽平は1980年代に同紙に4コママンガを連載していたという。これについては、どんなものだったのか僕は知らない。どなたかご存じの方がいたら教えてください。

雑賀陽平の名前と作品が、ひとりでも多くの人たちの記憶に残ることを願う。(4月28日)

(追・追記)年賀状に書かれていた下の息子さん(ギターを持ってる)は、「オシリペンペンズ」というバンドでボーカルやっているモタコさんというミュージシャン。全然知らなかったけど、グーグッてみると、町田康が「今いちばんパンク」と評していたり、面白そうなバンドです。雑賀陽平の風狂の血を継いでいるんだろうな。(4月29日)

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» 雑賀陽平さんの絵 [情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明 ]
 は、飄々とした描線だったなあ、と。  f:id:soorce:20050429233326:image  f:id:soorce:20050429233231:image     上の画像は漫金超まんがゴールデンスーパーデラックス第4号に掲載された「トラブルをさけるな」より。  こちらには今年の年賀状の画像が。  http://editorsnote.cocolog-nifty.com/days_of_books_films_jazz/2005/04/post_1cbb.html #ここ... [Read More]

Tracked on April 29, 2005 at 11:34 PM

» [music]雑賀陽平とオシリペンペンズ [days of speed]
少し前、つるんづマリーさんがJR尼崎の事故で雑賀陽平さんが亡くなられた事を掲示板で書いてました。 失礼だけど、僕は存じあげていなかったので「そうなのか」としか思っていなかったんだけれど、Yahoo!Newsに載っていたblogで雑賀さんの息子さんがオシリペンペンズのモタコさんというのを知りました。 合掌。 ... [Read More]

Tracked on May 06, 2005 at 08:23 PM

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