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July 02, 2004

アダルト・ピアノ、えっ?

『アダルト・ピアノ』(PHP新書)を読んだ。思わせぶりなタイトルだけど、サブタイトルは「おじさん、ジャズにいどむ」。『霊柩車の誕生』ほかユニークな風俗史研究で知られる井上章一が、40歳にしてジャズ・ピアノに挑んだ体験記。

著者はピアノに挑んだ動機が不純であることを隠さない。どころか、女性にもてたい! ホステスさんのアイドルになりたい! 鍵盤からフェロモンを発散させたい! と、最初から最後まで叫んでる。その正直さ(?)が、いかにもこの人らしい。

実は僕も、ほんの少しだけジャズ・ピアノを弾く。著者よりもっと上の歳になって初めて鍵盤を触ったのだから、その腕は推して知るべし。だから、何か参考になるかと思って買ってしまったのだ。その点では期待はずれだったが、なるほどと思ったのは、実践体験の積み重ね方。

北新地のナイトクラブで頼みこんで弾く。知り合いのパーティーでBGM代わりに弾く。教え子の結婚式で、教師の特権を行使して半ば押しつけで弾く。そんなふうに経験を積んできたらしい。

失敗もしたらしいけど、この強引さが必要なんだな。僕も、たまに他人の前で弾くけれど、いまだに指がふるえることがある。

仕事をリタイアした暁に、いつか酒場の片隅で目立たぬようジャズを弾いている、というのが僕の子供じみた夢だけど(カッコつけた言い方で、その心は井上章一と同じ)、このままではそれもおぼつかない。著者を見習わねば。

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Comments

雄様、こんにちは。

ジャズと映画と本と落語を好きな人を
好きにならないようにしている私ですが、
ピアノが弾ける男子って確かにかっこよいですね。
(剣道の強い女子みたいな感じでしょうか?)

Posted by: りか | February 03, 2005 at 10:45 AM

>りかさま

いくつものコメントをありがとうございます。

特に素人写真を誉めていただいたのは嬉しいかぎり。「黄昏どき」の「私の職場」とは右側なんでしょうか、左側なんでしょうか。

落語はたまに聞く程度ですが、本と映画とジャズなしでは1日たりとも過ごせません。これからも、たまには覗いてみてください。

Posted by: | February 03, 2005 at 06:15 PM

雄様、こんばんは。

私の職場は左側でございます。

私が以前好きだった人は、
ジャズと映画と本とお酒の好きな人でした。
彼を好きになったきっかけは
「村上春樹を好きだというのには抵抗感がある」
という言葉を聞いたことでした。

これからもサイト、楽しみにしております。

Posted by: りか | February 04, 2005 at 12:30 AM

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