March 29, 2020

雪へ

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夜半の雨から夜明けのみぞれへ、そして雪へ。積もりはじめてきた。

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March 24, 2020

座談会に出ました

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週刊朝日MOOK『司馬遼太郎と昭和』(3月24日発売、1078円)の「歴代担当記者座談会 司馬さんの昭和、書かなかった小説」に出席しました。

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March 22, 2020

別所沼へ

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別所沼まで散歩して桜の古木を眺める。去年も退院してはじめて30分歩いてこの桜を見にきた。そのとき、まだ抗ガン剤の効果も分からなかったので、俺は来年のこの桜を見られるだろうか、と思った。幸いにして今年も見ることができた。この古木はいっとき樹勢が衰えたことがある。周囲に縄が張られ根元まで近づけずに心配したのだが、今は回復して花の下で家族が談笑している。来年もまた花をつけるのを見に来るよ、と無言で語りかける。

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March 16, 2020

村田沙耶香『生命式』を読む

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村田沙耶香『生命式』の感想をブック・ナビにアップしました。

 

http://www.book-navi.com/

 

 

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March 13, 2020

『Unsolved』 ネトフリ廃人への道

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毎日、1時間ほどの散歩をする。家の近くを通る片側2車線の広い道路。歩道も自転車用と歩行者用に分けられているので7~8メートル幅がある。国道17号を横切り、数キロ先の17号バイパスへ抜ける予定だけど建設途中で、東北新幹線のガード下で途切れている。そこまで行って戻ってくる。車も人通りも少ない。建設途中の道なので両脇は新しい住宅やマンションが多く、均一な風景で歩く楽しみはない。でも、幅広い道の上に広がる空が大きいのが気持ちをゆるめてくれる。

当方、高齢者である上に病後の回復途上なので体力がなく、もしコロナウイルスに感染すれば「重症化」の条件を備えている。だから人混みはできるだけ避ける。いちばん悔しいのは、去年秋に寛解を告げられ、ようやく行けるようになった映画館に行けなくなったこと。仕方なく、またネットフリックスに逆戻りした。

いくつか見たなかで面白かったのがネットフリックス・オリジナルの『Unsolved』。10回のシリーズもののドラマだ。unsolved(未解決)のタイトル通り、実際に起こった未解決殺人事件を素材にしたもの。

1990年代、ヒップホップ全盛の時代。ロスの路上でラッパーのビギーが殺される。ビギーはニューヨーク出身。その前年にはラスベガスでロス出身のラッパー、トゥパックが殺されていた。ビギーとトゥパックは友達同士だったが、ある事件をきっかけに仲たがいし、ビギーが属するニューヨークの「バッド・ボーイ」、トゥパックが属するロスの「デス・ロウ」というレコード会社同士の「東西抗争」に発展していく。ドラマは三つのパートが同時進行する。ビギーとトゥパックの出会いから「東西抗争」までが、その一つ。

ビギーの殺人事件を捜査するのはロス市警のプール刑事(ジミー・シンプソン)。プールは、事件の背景に「東西抗争」があるのではと考える。「デス・ロウ」の警備にロス市警の警官がアルバイトしていることを掴み、警官が殺人事件に関与しているのではないかと疑いを持つ。プールとその相棒による捜査が二つ目のパート。プールは市警内部の腐敗を追及しようとし、遂には市警を追われることになる。

三つめのパートはその10年後。ロス市警が特別捜査班を組んで、未解決だったビギー事件を再調査することになる。その中心になるのがケイディング刑事(ジョシュ・デュアメル)。彼らは「バッド・ボーイ」「デス・ロウ」双方の周囲に巣食うギャングに目星をつけ、捜査を進めてゆく。

なにより90年代のヒップホップ・シーンと、それを生んだアフリカ系アメリカ人社会が再現されているのが面白い。二人のラッパーは実在の人物だが、トゥパックは子供のころからジェームズ・ボールドウィンを読む知的青年。ビギーは幼いころ父が蒸発して母親の手で育てられ、ドラッグの売人をしていた。二人とも母親思い。写真を見ると、二人の役者は共に実物そっくりだ。

三つのエピソードが複雑に入り組んで進行してゆくのだが、途中でやめられなくなり、つい次の回を見てしまう。エンドロールで「現在も未解決」と出るから、観るほうは結局事件は解決しないと分かっているんだけど、それでもやめられない。以前見ていた「コールドケース」とか「CSI」とかアメリカの1時間ものドラマの、早いテンポで見る者を飽きさせず、緊張を持続させるドラマづくりの進化はすさまじい。これももともとNBC系ケーブルテレビの作品で、ネットフリックスが海外配信の権利を買ったらしい。

もっとも作品としての評価となると、数カ月前に見た『マインドハンター』の完成度の高さには及ばないが。それでも3日間ほど「ネトフリ廃人」となってドラマを見続けたのでした。

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March 03, 2020

公園の「改修」

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歩いて7、8分のところに常盤公園がある。散歩に行ったら「改修工事」でフェンスが張られ、こんな風景が広がっていた。伐られた樹木のなかには、樹齢100年近いものもありそうだ。

ここはもともと徳川家康が鷹狩に来て休息する浦和御殿があった場所。明治期には浦和地方裁判所が置かれたが、昭和51年に裁判所が移転して公園になった。一部が遊具のある児童公園になっている以外は、散歩道や広場になっている。樹木に囲まれた広場では、子供たちがサッカーや野球に興じていた。懐かしい風景。

このあたり、駅から10分もかからないので周囲には高層マンションが建っている。想像するに、風の強い日や子供の遊びによる土埃にご近所から苦情が出たんじゃなかろうか。とすると、「改修」後はきれいに舗装され「球技禁止」の立て札が立つかもしれない。

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February 23, 2020

『僕が出会った人』

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昨年4月から、治療の合間につくっていた本ができあがりました。『僕が出会った人』というタイトル。20代から60代まで、40年近い記者・編集者生活のなかで出会った人について、週刊誌や月刊誌、展覧会の図録などに書いた原稿70本ほどをまとめたものです。出会った人は作家、写真家、映画監督、歌手、役者、また無名の職人さんや友人……皆、忘れられない方ばかりです。自分で筆者、編集者、校閲者、DTPオペレーターの四役を兼ね、装幀をお願いしたデザイナーや、私とは別の目が必要なのでもう一人の校閲者の協力も得ながら、自宅で作業しました。パソコンさえあれば一人で本をつくれる時代になったんだなあ、というのが実感です。

お渡しした方からたくさんのメールや手紙をいただきました。ひとつひとつが心に沁み、励みになりました。この場を借りてお礼を申し上げます。

 

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January 28, 2020

製本所を見学

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昨年5月から単行本を1冊、自分でつくっている。本文やカバーの印刷も終わり、ようやく本づくりの最終段階、製本にかかってきた。デザイナーと相談しフランス装という特殊な装幀をしたので、都内にたくさんある普通の製本所では引き受けてくれない。印刷所の担当者があちこち探してくれて、ようやく手づくりで製本してくれるところが横須賀市に見つかった。「一冊から製本、一部から製作」がモットーのその三栄社へ、デザイナーと2人で見学に出かけた。京急安針塚駅から冷たい雨のなかを5分ほど歩いた国道16号沿いにある。

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社長の津野さんがひとりでやっている製本所。ワンちゃんとともに迎えてくれた。

印刷所からは、印刷し綴じて糊で固めた本文、表紙とカバーが送られてきている。まず、断裁機で表紙を寸法に合わせて断裁する。フランス装は表紙と裏表紙の三方を内側に折りこむので、そのための折り線を断裁機を利用してつける。折りこむ部分に糊を塗り、内側に折りこんで圧をかけて接着する。次に本文の背上部に糊を塗り、栞を張りつける。さらに背にもう一度糊を塗り、内側に折りこんだ表紙を接着させる。ここで本の形ができあがる。最後にカバーを同じように断裁機で寸法を合わせて断裁し、折り目をつけて、表紙の上からくるむ。これで1冊の本が完成。大きな製本所では、もう少し機械化されているらしいが、ここではすべての工程が手作業だ。

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右が断裁機。後ろには箔押しに使う金属活字の棚がある。博士論文から革装の本まで1部から引き受けるというから、採算よりは製本の仕事そのものが楽しそうな津野さんだ。

 

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January 21, 2020

『マリッジ・ストーリー』 苦いけど最後は…

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先日、アカデミー賞のノミネート作品が発表になった。かつてはカンヌやベネツィアに比べてハリウッドの業界(商業)的色彩が濃厚だったけど、投票権をマイノリティに開放するなど改革が進んで、受賞作の傾向が多少変わってきたように思う(逆にカンヌやベネツィアが商業的になってきた)。

今年のノミネートで驚いたのは、ネットフリックスのオリジナル映画が『アイリッシュマン』に『マリッジ・ストーリー(原題:Marriage Story)』と2本も作品賞に入っていること。さらに『マリッジ・ストーリー』の主演アダム・ドライバーとスカーレット・ヨハンソンがそれぞれ主演男優・女優賞に、監督のノア・バームバックは脚本賞にノミネートされている。『アイリッシュマン』もいくつもの部門でノミネートされているから、今年もネットフリックス映画が受賞する可能性は高い。製作や配信を含めデジタル化をめぐる業界再編にどこが主導権を握るか。映画の潮流がはっきりと変わってきた。

昔、『イタリア式離婚狂想曲』という映画があった。結婚と離婚はいつの時代、どの世界にもあるけど、特に離婚は民族や宗教や法体系、社会の仕組みによってずいぶん違ってくる。『マリッジ・ストーリー』はアメリカ式離婚狂想曲といった趣きの映画。僕たちの常識と違うのは、まずアメリカという国がユナイテッド・ステイツで、州によって法律が異なること。もうひつとは裁判で物事を決着させる訴訟社会であること。そのことで、本来は夫婦の間の話が複雑になってくる。

女優のニコール(スカーレット・ヨハンソン)はニューヨークでオフ・ブロードウェイ劇団の演出家チャーリー(アダム・ドライバー)と結婚して、小学生の息子がいる。結婚前はロスで映画女優だったニコールにドラマ出演の声がかかり、ニコールは撮影のあいだ息子を連れてロスの実家に戻ることを決める。チャーリーとの仲はうまくいってなく、離婚話が進行していて、ロスにやってきたチャーリーに弁護士を立てて離婚の書類を渡す。ニコールと息子がロス在住なのでカリフォルニア州での裁判となり、チャーリーはあわててロスで弁護士を探さざるをえなくなる。親権争いで不利にならないため自身もロスにアパートを借り、ちょうどブロードウェイ進出の声がかかっていたチャーリーはNYとロスを行ったり来たり。ニコールが立てた辣腕の女性弁護士に対抗するため、チャーリーも辣腕の弁護士を立て、二人の本来の気持ちとは裏腹に互いを傷つけあう展開になってゆくのだが……。

離婚を言い出したニコールのいちばんの不満は、結婚前は映画女優として未来が開けていたのに今は一劇団員にすぎないという、自分のキャリアが中断されたことにあるらしい。だからロスからドラマ出演の声がかかったことで、踏ん切りをつけた。といって、チャーリーへの愛が冷めたわけでもなさそうだ。映画の冒頭、調停の前段階(らしい)で互いの長所を書いた文章を読み上げるとき、ニコールがそれを拒否するのは、そのことで自分で気持ちが揺れるのを恐れたからだろう。一方のチャーリーは、調査員がやってくるので、がらんとしたアパートに鉢植えを持ち込み絵を飾り、料理をつくって息子と一緒に食べる姿を見せる。親権を取られまいと、いささか演出気味で、無理も感じさせる。

そんな夫婦を演ずるアダム・ドライバーとスカーレット・ヨハンソンがうまい。長髪のアダムはいかにも知的なニューヨーカーといった風情。スカーレットは、いつもの美女役よりスッピンに近い(たぶん)化粧。そんな彼女が目くじらを立てる表情が、ちょっと怖い。アカデミー賞にノミネートされたのは、ショートカットのスカーレットが従来の役どころと違う新しい顔を見せたからだろうか。

それにしてもアメリカの離婚裁判は金がかかりそうだ。女性弁護士が1時間の料金を確か400ドルとか言ってたから、ニューヨークのアパートしか財産がないらしいチャーリーは、ロスのアパートも維持しなければならず、いずれすっからかんになるんだろう。

『イタリア式離婚狂想曲』はマルチェロ・マストロヤンニ主演で、離婚が禁止されていた時代の艶笑コメディだったけど、こちらは苦い途中経過を経て最後は落ち着くべきところに落ち着く家庭劇。『イカとクジラ』や『ヤング・アダルト・ニューヨーク』といった都会の現代的ホームドラマをつくってきたバームバック監督らしい映画だ。

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January 18, 2020

鬼海弘雄「や・ちまた」展へ

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病院で検査を受けた後、渋谷へ出て鬼海弘雄「や・ちまた」展(渋谷・NANZUKA、~1月26日)へ。浅草で、歩いている人に声をかけて撮ったポートレート。以前に写真集で見た作品もあり、はじめての作品もある。浅草には銀座とも渋谷とも違う、さまざまな人が集まってくる。被写体となった人の人生を想像して、どの写真の前でもしばし佇んでしまう。それだけの力を持った写真。

鬼海さんは体調を崩していると聞いた。回復を祈りたい。

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