July 19, 2021

朱天文『侯孝賢と私の台湾ニューシネマ』を読む

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朱天文『侯孝賢と私の台湾ニューシネマ』(竹書房)の感想をブック・ナビにアップしました。

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July 10, 2021

金子隆一さんを悼む

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写真史家である金子隆一さんの訃報が新聞に出た。フェイスブックでは数日前から亡くなったとの情報が流れていたが、ご家族の意向で葬儀後の公表になったようだ。

金子さんにはじめて会ったのは1990年代、20年ぶりに『アサヒカメラ』誌に復帰したときのことだった。金子さんは既に日本写真史の第一人者として、また東京都写真美術館立ち上げの中心的なスタッフとして知られていた。そのときは雑誌編集者と執筆者という関係にすぎなかったが、親しくつきあうようになったのは雑誌部門から書籍部門に移り、念願の写真集『定本 木村伊兵衛』(2002、朝日新聞社)をつくったときからだった。

『定本 木村伊兵衛』では、木村伊兵衛の弟子である田沼武能さんとともに金子さんに監修をお願いした。「監修」というクレジットは名目的なものから実質的なものまで、本とのかかわりはさまざまだが、金子さんには編集の細部にいたるまで相談に乗っていただいた。なにしろ金子さんは東京都写真美術館の学芸員として500点の木村作品を収集し、その収蔵作品を基に「木村伊兵衛の世界」展を開いた実績がある。

そこでこの本でも収録作品の選定をお願いした。といって、写真美術館と同じでは意味がない。田沼さんから木村伊兵衛の全コンタクトを拝借し、一から写真選びをしていただいた。沖縄や秋田といった写真史に残る名作のコンタクトを一枚一枚眺めながら二人であれこれ語り合ったのは、今となっては至福の時間だったとしか言いようがない。そうして選んだ265点のプリントが出来あがり、新聞社の大会議室に並べたときの興奮は、はっきり覚えている。名作といわれる作品は網羅し、それ以外に読者がはじめて目にするだろう新鮮な写真も選んだ。だからこの写真集は、実質的に金子隆一選と言える。

そんなふうに金子さんを中心に、デザイナーで木村の盟友・原弘の研究家でもある川畑直道さん、年譜作成者の石井亜矢子さんという強力なスタッフに支えられてこの本は出来あがった。定価14,000円の写真集がほぼ完売したのも、写真集の出来もさることながら、まだそういう時代だったのだろう。黒字になったので、田沼さんも含め4人のチームで続けて『木村伊兵衛のパリ』『木村伊兵衛の秋田』、木村のエッセイ集『僕とライカ』を出すことができた。

金子さんとのつきあいは、別の場面でもあった。二人ともボランティアで日本写真協会の表彰委員会という部門に属していたからだ。毎年、その年の優れた作品や新人を選んで賞を差し上げる。そのために年に何回か集まって話し合う。なにか分からないことや困ったことがあると、金子さんに相談するようにしていた。するとあの穏やかな笑顔で的確なアドバイスが返ってくる。編集者として必ずしも写真専門ではなかったので、僕にとって金子さんはこちらの無知をさらして遠慮なく聞ける知恵袋のような存在だった。

最後にお目にかかったのは数年前、その年の外国関係の賞について意見を伺ったときだった。金子さんの自宅である谷中のお寺で、檀家の方や写真仲間と語らったであろう大きなテーブルのある和室で、資料を広げていろいろ教えていただいた。

その後、僕は病気をしたので会合に出席できなくなり、コロナ禍もあって金子さんに会うことはなかった。金子さんの体調が悪いことも知らなかった。こちらが病気をしたせいもあり、木村伊兵衛の本をつくる過程で手に入れた木村関係の資料は金子さんに託せば安心、と思っていた。それが、いきなりの訃報。取り残された気持が消えない。ご冥福を祈ります。

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June 29, 2021

yuuki君の『I'm fish』

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かつての仕事仲間Iさんが、中学1年の息子yuuki君の小学時代の絵を集めて小冊子をつくった。元単行本の編集者だから本をつくるのはお手のもので、タイトルは『I'm fish』。

収められている15点ほどはすべて魚の絵。yuuki君がゲームの「どうぶつの森」でメガネモチノウオという魚を釣り上げ、その青く複雑な模様に興味を持ったのが始まりだったという。yuuki君の絵を見ていくと、魚がどんどん複雑になり形を変えていく。食ったり食われたりしながら他の生きものとの境界があいまいになって、魚から海藻や植物が生えてたりする。たしか国際的な児童画のコンクールで賞をもらったこともあったんじゃないかな。

Iさんはクッキーづくりも玄人はだしで、バタークッキーやレモンケーキと一緒に送ってくれた。ありがとう。

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June 19, 2021

吉見俊哉『東京裏返し』を読む

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吉見俊哉『東京裏返し』(集英社新書)の感想をブック・ナビにアップしました。

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May 18, 2021

12階からの眺め

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昭和3年建築のわが家をリフォームしている関係で、自宅から10分ほどのホテルに数日のあいだ滞在している。12階の窓からふだん歩いているなじみの風景を見下ろすと、見知らぬ街に来たようで新鮮だ。窓は南西方向に開いていて、東北・上越新幹線と埼京線がひっきりなしに通る。地平線は雲に覆われているが、秩父から奥武蔵、奥多摩、丹沢、富士、箱根、伊豆の山々が一望できる大パノラマ。そうか、高層マンション高層階の住民になれば、この風景を独占できるわけか。ま、その心配はないけど(笑)。

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楊海英『内モンゴル紛争』を読む

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楊海英『内モンゴル紛争』(ちくま新書)の感想をブックナビにアップしました。

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May 13, 2021

カーティス・フラーを悼む

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ジャズ・トロンボーンのカーティス・フラーが亡くなった。御年88歳。

フラーをはじめて聴いたのは大学時代。ジャズ喫茶に何時間もいるとたいてい1回はかかる人気盤『ブルース・エット』だった。フラーはじめベニー・ゴルソン(ts)、トミー・フラナガン(p)、ジミー・ギャリソン(b)の豪華メンバーで、1曲目の「ファイブ・スポット・アフター・ダーク」はテレビCMにも使われ、たいていの人が、ああ、あの曲、と分かる名曲名演奏。フラーの柔らかなトロンボーンとゴルソンの暖かなテナーが重なるハーモニーは、ハードバップを象徴する音のひとつだった。

十数年前にニューヨークに住んでいたとき、フラーが75歳バースデイコンサートと銘打たれたライブに出ると知ってブロードウェイの店に出かけた。写真はそのときのもの(2008年1月19日。イリディウム)。御大はすこし腰が曲がり、歩く姿も弱々しかった。出す音も、かつての艶と張りが薄れ、ややもっこり。もうバリバリの現役ではなかったんだろう。それでもエディ・ヘンダーソン(tp)らのサポートでかつての人気曲を次々に演奏してくれた。それだけで満足した記憶がある。もうフラーを聴く機会はないだろうなと、そのとき思った。そのとおりになってしまったが、今も『ブルース・エット』をかければフラーの音が蘇る。

 

 

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April 18, 2021

『残酷な遊戯・花妖』を読む

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坂口安吾『残酷な遊戯・花妖』(春陽堂書店)の感想をブックナビにアップしました。

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March 27, 2021

畑の土起こし

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このところ事情があって忙しく、庭のミニ畑がほったらかし。春菊が周囲の草に埋もれてしまっていた。例年より遅くなったが、春菊を鍋のために採り、草を抜いて土を起こす。4月になったらいつも通りゴーヤとミニトマトの種を蒔き、今年はネギと枝豆をつくるつもり。

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March 18, 2021

『アナーキスト人類学のための断章』を読む

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デヴィッド・グレーバー『アナーキスト人類学のための断章』(以文社)の感想をブックナビにアップしました。

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