「ロベール・クートラス展」
「ロベール・クートラス 無神論者の聖人」展(~10月7日、神楽坂・青花室)へ。
クートラスは1950~60年代に登場したフランスの画家。もともと石工だったが絵を学び、画廊と契約したがその注文に耐えられず契約を解除、以後は1985年に亡くなるまで貧窮の中で手札大のボール紙に描いた絵「カルト」や、グワッシュの人物画などを描いた。ほぼ無名だったが、近年、再評価の機運が高まっている。僕も雑誌の特集でその存在を知った。
「無神論者の聖人」とタイトルにあるように、宗教とは無縁だが、その絵は中世の宗教画のような雰囲気をたたえている。小さなカルトには中世から古代を想像させるいろんな模様が描かれている。カルトのほとんどに「僕の夜」という同一のタイトルがつけられているのは、夜の一人の想念のなかに浮かんだいろんな図像だからだろうか。人物画の多くにも「僕のご先祖さま」というタイトルがつけられ、どの絵の人物も中世ふうな衣装を着け、大きな眼とすっと通った細い鼻を持った同一人物のように見える。かつて絵描きは芸術家でなく職人だったが、芸術になる以前の手業で、クートラスというひとりの男の心に去来するイメージを絵画化したように思えた。もっとも若いころの、ユトリロふうなリヨンの風景画が一点展示されていて、これも素敵だ。














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